各地区の活動報告

各地区の活動報告

東広島竹原地区ろうきん友の会
一人で見るのはもったいない 下蒲刈島!!

― 東広島竹原地区友の会 社会見学 ―

(会長 岩本 喜寿)

 東広島竹原地区友の会は、9月26日(金)、社会見学を実施しました。行き先は、呉市の下蒲刈島です。呼びかけのキャッチフレーズは「一人で見るのはもったいない 下蒲刈島!!」
 ろうきん西条支店を出発した大型観光バスは、途中、「竹原駅前」で5人と合流し、正座席45席に加え補助席3席というほぼ定員上限に近い状態で進みます。最初に目指すのは、下蒲刈島でバナメイ海老の養殖業を展開する「EpoK(エポック)合同会社」です。
 同社は、各国の海老養殖の実態を見て回る中で、徹底的な衛生管理の下でお客様に「もっと価値ある海老を届ける」という信念にたどり着きました。G7広島サミットの夕食会にも提供された鮮度抜群の「くれぇ海老」ブランド誕生の瞬間です。会社の規模はまだ小さいけれど、その志は限りなく大きい。目指すのは、「牡蠣にならぶ、広島を代表する『海老』」です。
 出迎えていただいたのは「對川(つがわ)」マネージャーです。小さい企業ですが、全国放送、ローカル放送を含め露出度は抜群。よく通る声と快活な話しぶりで、ぐいぐいとペースに入っていきます。出荷直前の大集団と、まだ餌を食べている大集団では水槽もその水の透明度も違います。餌が水に溶け込み透明度が下がるからです。
 説明は、現場に精通しているだけ微に入り細に入り、細かな質問にも全く詰まることがありません。説明の終盤、「バナメイ海老は泳いでいるのか?」との質問に、「クルマ海老は(砂に)潜る。バナメイ海老は水流に沿っている。それが泳いでいるとも言える。」また、海老は一般的に共食いをすると言われており、バナメイ海老も例外ではないそうです。食べるのは、腹部、頭部の順序で、ヒトが喜ぶ身体の本体部分は好まれないようです。餌を与えないでおくと最後に一匹残るのがチャンピオンで、理論的には莫大な価格になるのではないかと、養殖業者らしからぬ話もありました。ついでに言いますと、出荷間近の生きている海老は一匹200円で、一匹当りでは冷凍物よりかなり高額とのことでした。(ちなみに網ですくったその一匹は幸運な一人の会員のおなかの中に。「今まで食べた生の海老の中で最高の味!」との食レポでした。)

 昼食は、蒲刈大橋を渡って隣の上蒲刈島の民宿「かつら」です。堤防に守られた道沿いに建つ有名な漁師料理の店です。アンケートによれば、「美味しかった」との声が多く寄せられていました。

 昼食後は、再び橋を渡り下蒲刈島です。江戸時代に瀬戸内海航路の代表的な「風待ちの港」、「潮待ちの港」として栄えた「三之瀬(さんのせ)」です。当時の船乗りから、潮の流れの激しさの順に、一之関(下関市)、二之関(熊毛郡上関町)、三之関(下蒲刈島三之瀬)と呼ばれました。
 三之瀬は、参勤交代する西国大名、朝鮮通信使、琉球使節、オランダ等の使節団が立ち寄り大繁栄しました。私たちは、3人のガイドさんごとに班に分かれ、400年前にタイムスリップするため、その跡地に建つ名園「松濤園(しょうとうえん)」、「蘭島閣(らんとうかく)美術館」等を散策しました。見事な朝鮮通信使資料館(御馳走一番館)、陶磁器館、ガイドさんによって見学の有無がわかれた蘭島閣美術館。
 普段なら何気なく見過ごしてしまう場面も、ガイドさんの口から発する言葉で耳を通って頭に残ります。「『なんでも鑑定団』に出したらいくらになるか?」、「なぜ12回の来日のうち最後の回は三之瀬に寄らなかったのか?」、「なぜ寄港地は三之瀬から「御手洗(みたらい)」(大崎下島)にシフトしたのか?」 直接聞くと、腹にストンとおちます。
 ガイドさんによっては、「退職前はサラリーマンだったので時間厳守です」と弁解された男性ガイド、時間より自分の説明を来島客に聞いてほしい2人の女性ガイド。しかし、3人とも、また来てほしいと三之瀬愛にあふれたガイドさんでした。